Cafe&Trattoria Polaris
Our Story
lunch 11:30 - 14:00 (LO14:00)
cafe 14:00 - 17:00
dinner 17:00 - 21:00 (LO20:00)
INTERVIEW
1
株式会社オーシャン代表 岩本拓也
Polaris店長 箭原翔音
ポラリス誕生秘話とこれからについて
Polaris料理長 柴田隆太郎
このPolarisを始めたきっかけは何ですか?
岩本社長(以下岩本):きっかけはまず、このテナントに入っていたフィットネスジムの撤退を知って、上の保育園経営と共に上下一体型で何かを始めようと思いました。
なぜそれを飲食店にしてみようと思ったのでしょうか?
岩本:2階にあるマザー保育園ではイタリアのレッジョエミリア地方という地域で取り入れらている
教育法を取り入れています。 現地の各園の中にはピアッツァという『アトリエ』が設けられ、
子どもたちはそこで自由にアートや遊びを体験します。 こういった『アトリエ』のような設備を
有する空間を1階に設置して、上下階でレッジョエミリア教育を一体化して体現できるようにしたいと考えました。 尚且つ、本社である建築士事務所「オーシャン」の宣伝にもなるような店舗にしたい。
本社やマザー保育園、1階店舗の知名度をアップするためには地域に根差した活動が必要で、
人が集まるような場所にしなくてはならない。さらに、1階店舗は会社の福利厚生を踏まえた設備に
したいと思いました。 2階のマザー保育園は元々会社の福利厚生を前提として設立された企業主導型
保育園です。『アトリエ』を有して地域貢献することがで出来、社員の福利厚生として利用することも
できる店舗。これらを統合して生まれたのがPolarisという飲食店です。
本社である株式会社オーシャンは建築士事務所であり飲食業とはまったく別の業種となりますが、
いざ飲食を始める事に迷いや緊張などはありませんでしたか?
岩本:それはもちろんありましたが、楽しみの方が大きかったですね。
やったことのない事を始めるという事と、「誰にでも出来る事」ではないと思ったので、
それを始められる時が来た、そのチャンスを逃したくないと思いましたね。
できるなら、やってみようと思いました。
この施設ってとても広いですよね。キッズスペースも小上がり席も、普通の飲食店の間取りと比べると広く取ってあるなと思うのですがそこに理由はあるのでしょうか?
岩本:この広いテナントありきで考えたので、そこはそうなってしまったという感じですね。
店内でいうとキッズスペースが『アトリエ』の立ち位置になっています。キッズスペースの壁や床には特殊な塗料が塗ってあって、何か描いてもすぐ消せるようになっているんですよ。
Polarisのコンセプトとしては、このキッズスペースありきで設立されています。
本業である建築士事務所、保育園経営、Polarisの飲食経営において、
岩本社長が共通して大事にしている点はありますか?
岩本:「人材」ですね。これが全てです。
会社として、人を大事にしていらっしゃるんですね。
<レッジョ・エミリア教育>
イタリアの都市レッジョ・エミリア
で発祥され、子どもが主体的に活動し、それぞれの個性を引き出すことを
大切にした教育方法のひとつ。
教育理念の象徴として100人子どもがいれば、100通りの考え、表現
方法があるという「100のことば」を掲げています。
芸術的アート活動やドキュメンテーションなどを取り入れ、子ども自らが展開したい事柄や物事を中心に、プロジェクト型の教育を行うことも大きな特徴。

Polarisの開店当初から、「敷居は低いが料理はしっかりしている、子連れを歓迎するレストラン」
というコンセプトを打ち出していますが、これはどういった理由からですか?
岩本:それは自分が子育てをしていて、そういったお店がなかなか無いなと思ったからです。子連れで
このお店に行ける!となったら簡単な料理ばかり出てきて、 満足できない内容であることが多かったからですね。オシャレな料理を食べたいなと思った時には、なかなか子供を連れて行けない不便さを感じて
いたので。
保育園設立の際の理由も同様でしたよね?お子さんを入れたいと思う保育園が無いなと思ったという…
岩本:そうですね。こどもが生まれて保育園を探しているときに、どこも似たり寄ったりだねという
話になり、自分の入れたい保育園を作ろうというのが一つ。 またその当時、保育士不足の問題や、
保育士への待遇が悪いというニュースが目立っていました。それでは保育士が働きたい保育園を
作れば人を集められるんじゃないかと思い 設立しようと思いました。
基本は働く人ありきで、建築士事務所(オーシャン)を作ったのもそういった理由でしたし。
箭原:以前社長は「建築業界もブラックな環境ばかりだったのでそれを変えるために独立した」と
おっしゃっていましたね。
岩本:そうですね。「自分ならこういう会社で働きたい」と思える会社を作ろうと思ってやっています。
箭原:僕も飲食ではいろいろな会社で働いてきましたが、働き方・働きやすさで言えばここ以上の待遇は見たことが無いですね。
岩本:自分は自分一人でお金を稼ぐ能力は無いと思っているので、人に動いてもらって初めてお金が
得られると思っています。なら、やってもらえるような環境にしたい。
箭原:社長は現場の動きや細かな部分、主体性についてはかなり現場に委ねてくださいますよね。
岩本:普通飲食店を始めたら、始めた人が主体性を持って、その人のやりたいことを実現するために
周りを動かすという流れだと思います。けど自分はその道のプロじゃないので、 プロの事はプロに
任せた方がいいじゃないですか(笑)保育士の方もその道のプロですし。
今後このPolarisがどういった店になったら良いなと思いますか?
岩本:いやとにかく繁盛してくれれば(笑) この(子連れ歓迎レストランという)スタイルが世の中に
確立してくれれば良いなと思います。 採算性の難しさからこういったお店が少ないのだと思いますが、
もっと子連れを歓迎する店が増えて似たようなお店が増えていけば、この業界が盛り上がっていくと
思います。
箭原:お客様から「ここはどういうお店なの?」と聞かれてお答えしても、こういったスタイルはまだ
世の中にあまり無いのですぐに理解してもらう事は難しいのが現状ですね。 けれど子連れを歓迎する
お店はもっと溢れていいし、その考え方やコンセプト自体がもっとメジャーなものになるといいですね。
では料理の話について、料理長である柴田さんに伺います。 Polarisで料理をするうえで、
大事にしていることや自分の軸にしていることはありますか?
柴田:広い範囲で言うと、親族や知人がお店に来ても恥ずかしくない料理内容にしている。
この店で最近大事にしていることは「キャッチーさ」と「オリジナリティ」ですね。
Polarisというブランドになる料理、僕らしい料理というのを作るようにしています。
「Polarisってこういう料理出すよね」というような。
自分らしい料理とPolarisらしい料理、その重なる部分を探してメニューを考えているということでしょうか。
柴田:Polaris1年目は実験的なことを色々やってみました。奇抜なメニューや珍しい食材を使用したり。
やったことのない料理や食べたことないものを作ってみたりしました。
2年目にある程度検証が済んできて、「こういう料理が喜ばれる」「こういうメニューは売れない」
というのが分かってきました。 3年目に入る今は、今までの経験を踏まえてPolarisに来店する方々が
喜ぶメニューというのを考えて作るようにしています。
メニュー構成は昼と夜で違っているのですか?
柴田:昼は特にキャッチーに。夜は少し自分寄りのメニューにしています。
ただ『イタリアン』という縛りがあるので、そこを意識していますね。
夜のメニューに関しては、どのように考え出すのですか?
インスピレーションの源泉などはあるのでしょうか。
柴田:いや捻り出してます(笑) ほんとに悩んでいるんですよ。
以前「お子様にはより美味しい野菜を食べて欲しい」というお話を聞いたのですが、
それは変わっていないですか?
柴田:その部分は最近半々ですね(笑) せっかく外食に来ていただいているのだから、お客様は健康を
気にしすぎるよりも「美味しいものを食べたい」と思っているはず。 そのニーズを満たしつつ、
コスト的に出来る範囲で良い食材を使ってよりよい物を提供したい。その気持ち自体は変わっていないです。
今後チャレンジしたいと思っていることはありますか?
柴田:2店舗目を出して総料理長。または小さな店を一人でやってみたいですね。
岩本:それありかもしれないです。会社の近くに飲める店が欲しいと思っていたので。

では最後に店長にお話を伺いたいと思います。
このお店の雰囲気が、開店当初と比べるとずいぶん変わってきているようにお見受けします。
そのコンセプトというか、 こういうことを大事にしているといったお考えはありますか?
箭原:このお店はすごく空間が広いので、このお店に来店したお客様がどれだけストレスなく過ごせるか、
「ここにずっと居たい、長く滞在したい」と思うか、「またこのお店に来たい」と思うかという事を内装や
接客・サービスにおいてどう設定できるかは考えていますね。
出来るだけ女性心理に寄り添って方針を考えるようにしています。
それは主にお母さん方に寄り添ってということですか?
箭原:基本的にはそうですね。今まで友だちと楽しめていたランチやカフェが、お子さんが居る事でなかなか
難しくなる。けれど、お子様がいてもそのニーズをどこまで満たせるかというのは考えますね。
今はInstagramの時代なので、出来る限り、店内のどこを切り取っても絵になるようにという工夫は
常に考えています。さっと写真を撮って頂いても、それを見た方が 「ここはオシャレな店だね」と思って
もらえるように店内の工夫をしている。これは今後もどんどん進めていきます。
店内にグランドピアノがありますよね。コンサート開催のお知らせも度々あるようですし、
店内にはBLUENOTEの冊子が飾られています。店長自身、音楽に思い入れがあるのでしょうか?
箭原:僕自身音楽が好きだという事と、元々東京のBLUENOTEというジャズクラブで
働いていたという経験がある事がありますね。 僕は料理もアートも音楽も、
何かを感じて、嬉しさや感動を得ることを目的にしていると思っている。
その中心部分は共通すると思っているんですね。 料理を食べて感動する事が好きな人は、
きっと音楽を聴いて感動することも出来る。
加えて、札幌にはBLUENOTEのようなプロの生演奏×出来たての本格料理といった
エンターテイメントを楽しめるお店が少ない。Polarisはそれが出来る空間・設備がある。
グランドピアノを入れても窮屈に感じない飲食店舗はそう多くありません。
良い音楽というものをより多くの人に感じて欲しいと思うし、美味しい料理を合わせて
楽しんでほしいと思う。良い音楽には人が集まって、集客に繋がる。
それは飲食店にとってもプラスの側面が大きい事だと思うんです。
こちらのお店は地域のお祭りや交流によく参加されていますよね。それも理由があるんでしょうか。
箭原:さっき社長がおっしゃった事と同じことを僕も思っていて、地域に根差して運営していかないと長くは
続けていけないというのは最初から感じています。 この地域の方々にお店を好きになってもらわないといけないのであれば、地域のイベントがあれば積極的に参加していかなければならないし、逆に言えばそれはお店をアピールできるチャンスでもある。Polarisはお子さまを歓迎するお店であるうえ、大人数を収容できる設備もある。
地域の皆さんにこれらを活用してもらう事は、近くにお住いの方々にとってもプラスになることだと思います。
店長はこのお店をこれからどのようにしていきたいですか?
箭原:まだまだこのお店は知られていないのでどんどん認知を広めていきたいというのと、今後はもっと色んなイベントを行っていきたいですね。 先日はバレエとピアノ・ソプラノのイベント、落語会もありましたし、
演奏会や講演会も出来る。販売会イベントやフェスなんかも出来るポテンシャルを持っています。
地域の運動系少年団の貸切食事会なども予定していますし、お子様含め大人数で何かやりたいときにはとても
自由度のある施設なので、もっともっと活用していきたいですね。

INTERVIEW
2
あの壁画ってだれが描いたの?
イラストレーター/デザイナー Yuki Kurosawa
まず、ユウキさんとポラリスの出会いをお伺いしても良いでしょうか。
ユウキ:琴似にColabo.(コラボ)というコーヒーのお店があって、
僕はそちらのコーヒーのパッケージだったり、デザイン全般を任せて
もらっていました。Colabo.のマスターの佐藤さんを通じてポラリス
というお店を知ったのと、ポラリスの箭原さん(店長)にお会いしました。
そうだったのですね。元々ポラリスはどのようにしてコラボと繋がって
いたのですか?
箭原:ポラリスが設立された当初からコーヒー豆を卸してもらっていたので、僕はコーヒー豆を受け取りによくお店に伺っていました。
なるほど、ではお二人それぞれColabo.との出会いがあり、その後ご縁があって壁画制作に繋がるのですね。
ユウキ:そうですね。Colabo.がなかったらポラリスと出会っていないので、ある意味Colabo.
のおかげっていう部分はありますね。でもその頃から繋がってはいましたけど、壁画を描く/描かないというのは、また先の話だったんです。
そうなのですか。では壁画の話が始まったのはいつくらいなのでしょうか?
ユウキ:最初にお話を聞いたのは・・・たしか2022年の3月くらいだったと思います。
Colabo.のマスターから話をちらっと聞いたぐらいで。その後、箭原さん本人から「あの壁に絵があったらいい
なと思っている」ということを伺って。ポラリス内でいろいろ変動のある時期だったようで、具体的なお話になるのは4月になってからだと思います。もし、描いてもらえるなら嬉しいという流れから、改めて依頼をいただ
いてお引き受けしました。
箭原:そうですね。ここの壁に何かを描きたいという思いがポラリスに入社した時からあったのですが、当初は特に話が進むわけではなくて。でも、変動をきっかけにタイミングがあったので、ぜひお願いしたいと思いました。
かなり大きな壁ですよね。壁一面に描いてくださいって言われた時は、率直にどう思いましたか?
ユウキ:面白そうだなと(笑)
これだけの大きい壁画に絵を描いたことはございましたか?
ユウキ:このサイズはないですね。
多少大きめの絵は描いていましたけど、ここまで大きいのは多分、初めてですね。
どの辺りが面白そうだと感じました?
ユウキ:当時はポストカードなどに手書きの作品を描いていたのですけど、キャンバスが小さいなと感じていたので、まず「でっかいものにかける!」っていう気持ちでした。大きい作品は自宅では管理しきれないじゃないですか。なので、「ああ大きなキャンバスに描いていいんだ!」というところが一番でした。
不安よりは期待の方が大きかったですか?
ユウキ:そうですね、不安は全くなく、体力的な心配だけでした。
なるほど。この絵はどんなイメージで描かれたのですか?
ユウキ:確か最初は僕がポラリスに来た時、トラタヌのカード※1を持ってきたんじゃなかったかな。
トラタヌのあの雰囲気いいねっていうことで、カードゲームで作ったどうぶつをベースにして原案を出した記憶があります。
ユウキ:ポラリス側からの案で、お店に来た子供たちと一緒に何か楽しんでいるような
雰囲気がいいね、となって。どうぶつたちがレストランに遊びに来ている、とか、
キャンプをしているとかそんな感じでした。そこから色々な話を繋げましたよね。
話し合いの中でいろんなキーワードやポイントを出してもらって、繋げて、じゃあどう
する?と。最初何か案を出したときにガッツリと「絵画を描く!」という案もあったの
ですけど、そうじゃなくて、どちらかというと「大きな窓」みたいな。ここと向こう側
の世界を繋げるみたいなニュアンスに近づけたんですよね。そうすると小上がり席と一
体感が出てくるんですよ。
だまし絵じゃないですけど、よく見ると窓の縁のようなもの描いてあって。
本当ですね!葉っぱも奥から出てみたいな感じになっていますね!
ユウキ:そうなんです。そんなところもよく見てもらえたら嬉しいです。
そもそもの話になってしまうのですが・・・
ユウキさんは絵を描き始めるというか、絵を始めるきっかけは何だったのでしょうか?
また、いつこれをお仕事にしようと決められたのでしょうか?
ユウキ:何だろう、実はあんまり、絵を生業にしようとは今でも思ってなくて、たまたま絵になっているんですけど、もともと何かを作るのが好きなんですよ。
でも別にそれが自己表現したいからとかじゃなくて、「もの作り」が好きで。
それが今、お仕事と丁度重なってる部分が絵なんです。
だから、極端なことを言うと「絵」じゃなくてもいいんですよ。
昔はバンドもやっていたし、古着も好きだし、他にもなにかを作る事が好きで。
でも絵は昔から描いてはいましたね、紙とペンがあれば何でもできるから。紙とペンだけあれば、多分何もない部屋でも1年ぐらいは過ごせますね(笑)
集中力と想像力がないとできないことですね。
ユウキ:そうですね。集中しているかも分からないですけどね、結構楽しくやれます。楽しいから今でもやっているのだと思います。僕の場合はたまたま仕事がこの道になった、という感じです。
仕事になるっていうことは結局誰かの役に立って成立するわけじゃないですか。
絵を描く事には様々なパターンがあるんですよ。
いわゆる画家の方は、自分の書きたいものを書いて、世に出して、それが売れるっていうパターンもあると思うんですけど。自分の性質や土台を考えた時に、仕事にして行く上でそこじゃないなって気が付いて。それだったら、人の役に立つ部分、これを生かしてもっと面白いことしよう。誰かが関わってくれて作るほうが、僕の作品は生きてくるんだと思って、それを意識しながら仕事をやっています。そんなことを考えていた時に、このポラリスのお話をいただきました。
おそらく自分主体でどこかに、大きな絵を描かせてくださいっていって描いたらこの作品にはならない。場所があって、人がいて。その先に完成した作品というところが、僕自身気に入っているところです。
なるほど。自己表現とはまた少し違うってことなのですね。
ユウキ:僕主張したいことが無いので(笑)人に見てもらいたい、分かってもらいたいって気持ちがゼロなんです。
絵を書き始めた時のことをお伺いします。
小さい頃から絵を描く環境があったのですか?描いていて好きだなーと思って続けていたら仕事になったのですか?
ユウキ:そうですね。父はよく絵を描いてくれていました。描くのが好きだったみたいで。
お父様はそういった関係のお仕事をされていらっしゃるのですか?
ユウキ:いえ、全然関係のない仕事をしていました。不思議な話ですが、僕がトラタヌを作った後くらいに父は画家になったんです。元々父は絵が好きで描いていたけれど、トラタヌで遊んだというのもひとつにきっかけになって画家になったみたいです。北海道内で、アクリルを使ってどうぶつを描いています。
そうなんですか!お互いが影響を与え合っていて素敵ですね。
お父様もどうぶつの絵を描いているとのことですが、もともとお二人ともどうぶつが好きなんですか?
ユウキ:父は元々どうぶつが好きでした、僕は絵を描く前はどうぶつに無関心だったのですが、描いてから好きになりました。描くようになってからめちゃくちゃ観察するようにもなりました。
なるほど。観察をしたからこそ、あのどうぶつたちの絵たちが生まれるのですね。
ひとつ思ったのは、あの壁画やトラタヌの絵、顔はどうぶつだけど体は人間ですよね。何故あの形にしようと思ったのですか?
ユウキ:まず、僕あまり人間の顔が描けないんですよ。描けないというか、当時描いていてテンションが上がらなかったんです。どうぶつの顔は描いていて楽しかったんですけど。体は人間の方が描きたかったのと、服を着させたかったんです。ファッションも好きなので服が似合うようにしたくて人間の体にしました。でも、顔をどうぶつにすると性別が分かりづらいので、手で女性らしさ男性らしさを表現するようしました。そこの表現もぜひ楽しみながら見てほしいです。
ユウキさんのお話聞いていると、ユウキさんが好きなものを自分らしく表現していて、その流れでユウキさんの作品たちが完成しているような感じがしますね。
今現在、ポラリスではメニューブック作成やライン公式アカウントのイラストなど、様々なことにユウキさんが携わっていると思いますが、今後はさらに何か予定しているものや、ユウキさん自身ポラリスでこれをやってみたいなというものはあるんですか?
ユウキ:依頼されているものはいっぱいあります。笑
他にやってみたいことは・・・ポラリスの地域との関わりを大事にやっていきたいということに共感していて。というのも、僕は元々Instagramなどで作品を出していたりして、道外から依頼を受けることが沢山あるんです。しかし道外だと頻繁にその場所に行ける訳ではなく、自分が携わった仕事、作品だけれどもなんとなくしっくりこない感覚があったんです。
でもポラリスって、自分の住んでいる地域にあるからすぐに来られて、お店と作品が一緒に良くなっているところを見る事が出来るんですよね。それを考えた時に、地域で働きたいし、やるなら地域のために貢献したいって思いました。
これからも、この地域、琴似だったり山の手だったり、西区や札幌に対してポラリスと一緒に何かできることがあればやっていきたいなと思っています。街に対して。
最後に、ユウキさんにとってのポラリスという場所はどんな存在ですか?
ユウキ:僕が感じるポラリスって、人がどんどん集まってくるというか、人を呼び寄せる場所だと思うんですよ。この人がいるからここが成り立っていて、この人がいるから人が集まってくるっていう場所。だから、そうだな、僕は箭原さん(店長)に会いに来ている感じですかね。笑
店長はアイディアがどんどん出てくる方で、ユウキさんはそれに更にアイディアを足して創り上げる方、お互いが「仕事」という枠を超えて一緒に作り上げているようで、お二人とも楽しそうですね。笑
ユウキ:そうですね。楽しいですね(笑)
作る側も楽しみながらやったからこそ、このポラリスらしい雰囲気があるのかなと思います。
最初に構想をお聞きしてから時間はかかりましたけど、コツコツ一緒にやってきたので、ポラリスに来るお客様が心地いいなとか、この雰囲気が好きだなと思ってくださる空間が作れていたら嬉しいです。
これからもこの空間がどんどん素敵に育っていきそうですね。楽しみです。
※1 トラタヌ (TORATANU)
どうぶつたちの世界で遊ぶ、カードゲーム。 Yuki Kurosawa がグラフィック・ゲーム デザイン・世界観の全てを手がけた。 ポラリス店内にもサンプルがあるので、 ぜひご覧ください。
( 定価 ¥6,800 https://yukikurosawa.base.shop)



INTERVIEW
3
この場所にピアノがある意味
ヴァイオリニスト 栗山 奈津 Polaris店長 箭原 翔音
Café & Trattoria Polarisは年に5回、定期演奏会を開催している。
その企画をしているのが「北海道ミュージックアシスト」
今回はその代表であり、現役ヴァイオリニストの栗山奈津さんにお話しを伺った。
箭原:Polarisの店内にはグランドピアノが置いてありますが、こちらは奈津さんがきっかけとなって置く事が決まったのですよね。どういった経緯で設置に至ったのでしょうか?
栗山:最初は非常に個人的な考えだったのですが、
「この場所にピアノがあったら、出来る事いっぱいあるな」と思ってたんです(笑)
広さもあるし、料理も美味しいし、店長のバックグラウンドもありますし。(店長は東京にあるBLUE NOTEの元社員)
と思っていたらたまたま、「ピアノを手放したいという人がいる」という話を聞きまして。
「買い取ってほしい」とかではなく、輸送費だけでいいというので「そんなラッキーなことはない」と思いました。
実はこのピアノ、ピアニストの斎藤真佐子さんが幼少期に使っていたピアノで、その前は現在東京で活躍をしている著名なピアニストの方のピアノだったんです。なので元々の持ち主をPolarisに呼んで、ここで弾いてほしいなという気持ちもありました。そんなわけで、タイミングがすごい良かったので設置するお話しをさせて頂きました。
箭原:そのお話をお聞きして内容を弊社の代表に話してみたら、「いいですよ」という感じの即答だったのでそこからは早かったですね。
栗山:楽器というのはそういった巡り合わせがあるので面白いですよね。
このピアノを巡って色んな人が来て、繋がって、という場所になっていけば良いな~と。
箭原:奈津さんはどうして音楽で、演奏家として生きていこうと思ったのですか?
栗山:音楽って不思議で、無条件で人を幸せにすることのできる力っていうのがあるんですよね。
自分が音楽を勉強していく中で、苦しい事もつらい事も、何かを犠牲にした事も沢山あるんですけど、それ以上に、人とつながったり、何百年も前に書かれた曲を演奏して、時を越えてその曲と向き合ったり。それにすごい救われたりして、平和を感じる事が出来るんですよね。そうやってるうちに、いつの間にか仕事になっていた、という感じですね。
箭原:わかります。
僕も音楽を聴いている時って、人間関係とか社会状況とか自分の置かれている立場とか、「こうならないといけない」とか、そういった現実に即したものとは一歩違った軸や次元で感じているものである気がしていて。世の喧騒や世俗的な考えとは離れた「感覚」・「フィーリング」を得て、救われている気がするんですよね。しかしこの社会で生きていくのなら、結局それをどう現実に活かしていくのかが大事になってくるんですけど。
栗山:そうですよね。
音楽というツールをコミュニケーションに使って、いろんな人と繋がったりとか、出会ったり、自分の為になったりする。となると音楽を演奏する・習う・聴くという事が溢れている場所っていうのが必要なんですよ。
箭原:確かにそうですね。
KitaraやHitaruなんかは音楽がたくさん溢れていますが、それで札幌が満ち足りているかというとまだまだあってもいいですよね。よりカジュアルな音楽がもっとあっていいし、違ったジャンルやバリエーションがあっていい。
栗山:演奏を聴いてみて、「自分でもやってみよう!」とか「こどもにも習わせてみようかな」と思う人が少しでも増えてくれると嬉しいです。音楽に触れる機会がもっと増えてくれれば。
箭原:奈津さんにとって、札幌、もっと大きく捉えれば音楽業界がどのようになっていけばよいと考えていますか?
現状がどうなっていて、どのあたりが問題で、どう解決していけるか、そこにPolarisはどうアプローチしていけるのか。
栗山:札幌に関して言えば、プロのオーケストラは1団体しかない。演奏のチャンスがすごく減っていて、演奏できる場所、例えばパーティーや企業主催の演奏会もコロナで一気に少なくなって、今は少しづつ増えてきてはいるけれども昔ほど多くはありません。そういったところにお金を投じてくれる企業もすごく減っています。もっと多くの場所で演奏が出来ればいいのですけど、奏者自身も、北海道内で多く演奏会を行っていこう!という方はかなり少ないと感じています。演奏機会を多く持ちたい方はどうしても本州の方へ行ってしまいます。
箭原:なるほど。演奏場所も機会も多くある東京へ行ってしまうということですね。
栗山:そうなんです。コンサートの数も多い上、そのほうが稼げるし、本州へ行ってしまった方は滅多に北海道へは戻らないのですよね。例えこちらに帰ってきたとしても、演奏者としての仕事は本当に少ないのが現状です。
なので皆、自主的に何かを企画していかなければならないという状況なんです。
箭原:ミュージシャンが仕事の安定性だけを考えると、札幌に帰ってくるメリットが少ないという事ですね。
栗山:そこがある種の悪循環というか、ミュージシャンとしての仕事が無いのであればもし「音楽家として活動していきたい!」と思っても経験を積める機会が少なかったり。『人前で演奏する』というのはとても大事なんです。
家でどれだけ練習していてもその経験は積めないし、自分を知っている人ばかりに聴いてもらっていても成長しづらい。身内ばかりを集めて演奏会を開いても、皆好意的な目でしか見てくれないので。なのでミュージシャンにはどんどんチャレンジしていってほしいし、そういった場を増やしたいと思う。
札幌にもう一つのプロオーケストラを作りたいとも思っているんですよ。本州からの人材も同時に集めて、札幌に人を流していきたいんです。
箭原:これはミュージシャンに限らず、本州の方々にとって北海道や札幌ってとても魅力ですよね。
「これから札幌で仕事ある♪」という方はすごくウキウキして札幌に来る。仕事が終わったら、「やっぱり北海道って最高だよ」と言って皆本州に帰っていく。しかしながら、いざ北海道に根付いて音楽活動をしていくとなると、それはキツイと。
栗山:キツイですね(笑)稼いで生活をしていくとなると難しいと思います。
北海道は良くも悪くも、演奏を無料・もしくは安く聴けてしまう場所が結構あるんですよ。東京の音大で言えば桐朋、国立音大、東京藝大など有名な学校が色々ありますが、北海道からそちらを目指す人はあまりいません。岩見沢教育大や大谷学園などを経て、その後北海道内のみで活躍する人が多いです。であれば道内の音大のレベルアップも図りたい。
これまでは北海道から東京に行かなければ受けられなかった授業を、道内にいても同じレベルで受講出来る。なので、その架け橋としての活動も続けて行きたいと思っています。今まで札幌には無かった「北海道ジュニアチェロコンクール」の創設をした事もその一環なんです。
箭原/こういった文化や考えが世間に浸透するまで、根強く活動していくという事ですね。
栗山:今までこういった活動が無かったわけではなく、「ジュニアオーケストラ」等の活動もありましたし、そういった文化形成に尽力されている方は沢山いらっしゃいます。ただ、ずっと頑張ってきてくださっている方々も少しづつ高齢化してきています。その中で、私たちの世代が、今の若い子たち、時代も考え方も違う子たちにどうアプローチしていくかを考えていかないと、この流れが止まってしまうんですね。
箭原:私の父親もミュージシャンで、同じような考えを持って「札幌未来Jazz」というものを創設し、現在まで続けてきています。次の世代は誰がどんな形で担っていくのか、というのは考えていかなくてはならない局面に来ていますね。奈津さんがおっしゃったような考えを根付かせていく・発信していくという点についてはこのPolarisというお店はお手伝いできる事が多くあると思います。
栗山:そうですね。演奏会を開催する事も出来ながら、お子さんをキッズスペースで遊ばせておくことも出来るし、親御さんはカフェでほっとひと息つくことも出来る場所は貴重だと思います。
箭原:今までのお話の流れで言えば、Polarisのポテンシャルはかなりありますね。大人数でも集まりやすいし、1階で日が差す空間なので入りやすいし、西区のはずれではあるけれども駐車場が隣接していて使いやすいし、ご家族でも集まりやすい。演奏会でもご飯をしっかり出せますしね。
栗山:それは魅力ですよね。あとは地域とどう関わり合っていくかも重要だと思います。
箭原:今後はミュージシャンや、ミュージシャンを目指している方々を含めて、より皆さんがPolarisを利用しやすいように、設計やシステムの構築について現在奈津さんとお話しさせて頂いているところです。
現在奈津さんはそういった演奏者たちを支援する会社を運営されていらっしゃるのですよね。
栗山:私が運営しているミュージックアシストという会社は、「演奏会を開催したいけど手が回らない」「何を準備したらいいか分からない」といった方のお手伝いをする会社です。
「自分たちで何か開催したい」と思ったとしたら、料金がとても高いホールを借りない限り全てを自分たちで準備・運営しなくてはなりません。それってすごく大変なんですよ。
箭原:普段お仕事や育児をされていて、「演奏会を企画したい」と思っても準備のための時間が中々取れなかったり、例え時間があったとしても手が回らない、という事はよくありますよね。当日に「あ、これを忘れていた!」となったら意外と致命的だったり。。
栗山:そうですね。まずはご相談を頂いて、話をしていくうちにぼんやりとしていたイメージが明確になっていく事も多いです。他にも「この楽器ができるミュージシャンを探している」といったご要望に対する演奏者派遣や、演奏会チラシの制作なども行ったりしています。
箭原:音楽って人の持つ楽しみとしてとても根源的なものだと思っていて、「音楽はもう一切ダメ。1秒も聴いていたくない」という人はいないと思うんですよね。なので生演奏に触れる機会があって、1度でも感動するような体験があれば、きっとその人の人生をより豊かにしてくれるものになると思っています。
栗山:若手の人たちにももっと自分たちを試していく事の出来る、経験を積める場を提供して、その機会を増やしていきたいですね。
箭原:Polarisって、かしこまりすぎる場ではないと思っているんですよ。なので自由に参加できるセッションの日を作ったっていいし、演奏会の日ではあるけれども、別に演奏者のファンじゃない人も「今日なんかの演奏やってるらしいよ」ってふらっと立ち寄りながらビールでも飲む、という空気でも良いと思っています。
栗山:そういうのが例えば日曜の午後~夕方と決まっていたっていいですよね。
箭原:そうなんですよ。そういう日は「チケット代を3000円払わないと入れない」とかじゃなくて、何か音楽を聴きながらご飯食べて飲んで帰るっていう感じでも良いと思っているんです。良い音楽と美味しい食事をたくさんの方に楽しんで頂ける空間であればいいなと思っています。
《プロフィール》
栗山奈津
奈良出身。桐朋学園大学音楽学部卒業。国内のコンクールやエネスコ音楽祭出演。2014年より千歳市在住。ちとせ森の音楽教室代表。(株)鬼丸エンタープライズ代表。北海道ミュージックアシスト代表。

